経皮毒について

アトピー性皮膚炎には様々な原因がありますが、その一つに挙げられるのが「経皮毒」です。こちらでは、意外と知られていない経皮毒について紹介しています。


経皮毒(けいひどく)とは

一般的に皮膚を通して体内に有害な物質が入ることを経皮毒と呼びます。近年では合成洗剤による影響での経皮毒によりアトピーやアレルギー反応が起きるというケースが問題視されています。

ここでは、洗濯洗剤の「界面活性剤」に着目してみましょう。
「界面活性剤」と言っても、多くの種類がありたくさん作られています。中には乳化剤などに代表される食品添加物としても認可され多く使用されているものもあります。

また、界面活性剤には合成のものとそうでないものとあります。
石けんなどに使用される界面活性剤は動物性・植物性の油脂と塩を反応させ作られる「脂肪酸ナトリウム」と「脂肪酸カリウム」があります。 一方で合成洗剤など使われる界面活性剤は石油や動物性・植物性油脂から化学的に合成され作られるもので「合成界面活性剤」と言います。

界面活性剤は、水と空気、水と固体、水と油の境目のような界面に吸着し、その結果、界面の性質が変化して汚れを落とします。

 

  • 1.表面張力を小さくし、衣類を濡れやすくする
  • 2.汚れを衣類からはがす
  • 3.汚れが再付着しないようにする 再汚染防止

 

界面活性剤は、洗浄が高いことから合成洗剤の主成分として長年用いられてきましたが、そのマイナス面(人体・環境への悪影響)についてはあまり知られていません。
衣類(繊維)への残留性への問題について考えて見ましょう。

あまり知られていませんが、合成洗剤で洗うとその後すすぎを何回もしても、界面活性剤の一部は衣類の繊維に張り付いたまま残ってしまいます。その衣類を身につけて過ごすと、残留した界面活性剤が汗や皮脂に溶け出してしまいます。合成界面活性剤の多くはエストロゲン作用を持っており、リンパ球のバランスを崩してアレルギー症状を悪化させると考えられています。私たちが日常的に使っているシャンプーやリンス、化粧品、洗剤、入浴剤などにも、経皮毒の影響を及ぼすおそれのある有害化学物質が含まれている場合があります。化学物質はとても小さく、皮膚の毛穴などから簡単に体内へと入り込むといわれています。一度体内に取り込まれた有害化学物質は、簡単には排除することができません。


皮膚と内臓への影響

口からより、皮膚から入る方が体内に長く残留すると言われています。皮膚から吸収されると、血管を通り、体内を循環します。
異物・毒物は肝臓での分解されず、体内に長く循環し、特に脂肪の多いところに滞留します。合成界面活性剤が、皮膚疾患や内蔵疾患の一因ではないかと言われています。皮膚の被害は目に見えますが、より恐ろしいのは、目に見えない自覚しにくい体内での被害です。


次世代への影響

合成界面活性剤は、胎盤を通過し、胎児や受精卵にも悪影響を与えるという研究結果もあり、また、精子の減少を引き起こす可能性も指摘されています。妊娠活動中のカップルは特に気をつけましょう。


安全な製品を選ぶことが大切

繊細な肌の赤ちゃんやアトピー性皮膚炎の方に限らず、毎日使うものはできるだけからだに優しい洗剤や化粧品を使用することが健康の秘訣となります。